ペロ
エリカ
『拓〜・・・ だからアンタの運転はヤバいって言ったのに・・・』
道のど真ん中に座り込んだエリカがぼやく。
『そんなこと言ったって・・・・・ こいつがいきなり飛び出してきたんだろうがよ・・』
河西拓郎は混乱していた。
動かない犬。
荒いと言われる運転であっても、事故など起こしたことはなかった。
加えて拓郎は、大の犬嫌いであった。
無視して逃げてしまいたいところだったが、せっかく意中のエリカといい感じにドライブまでこぎつけたのだ。
こんなところで人間性を疑われてしまうわけにはいかない。
エリカが犬に触れる。
『・・・・キューン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・キュ・・ーン・・・』