ペロ

梶原は、入社当時から紀子に好意を抱いていた。

年齢は少し上なのに、何故か放っておけない可憐さとはかなさを併せ持ち、それでも凜として必死にスマートな女でいようとしていた。

仕事は淡々とこなせるのに、梶原の冗談に対してムキになったり、恥ずかしそうにごまかしたりするところが魅力的だった。

恋愛とは違うのかもしれない。
だけど、この奇妙な違和感を無視することはできない。




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