ペロ
ペロ
約束の7時を少し過ぎた頃、片岡奈津美は現れた。
バレーボールをしているというだけあって、背が高かったのですぐにわかった。
梶原が近付き、挨拶をすると奈津美は少しだけ憂鬱そうに振り返った。
『貴方が・・ 梶原さん?
ごめんなさい、遅くなって・・・』
『いえいえ、こちらこそご無理を言って申し訳ありません。
おまけに、辛いことが起きた場所を指定したりして・・・』
奥にベンチがあるので座りましょうと、奈津美に促された。
長い髪を後ろに束ねた彼女の黒いワンピースの後ろ姿が颯爽と歩いて行くのを、梶原が慌ててついていく形となった。
なんだか気が強そうな人だ・・・。