ペロ
幸せな日々もつかの間、母洋子が原因不明の体調不良となり、何ヶ月も寝込む日々が続くと
孝蔵は余所に女を作り、家に帰らなくなった。
洋子一人で幼い姉妹を育てることは困難となり、姉の奈津美は親戚が引き取った。
妹の絵里香は一人ぼっちの寂しさと、姉がいなくなったショックから、子犬達に八つ当たりをするようになった。
訳もなく顔をひっぱたき、火の着いたマッチを身体に押し当てる、寝ている子犬のお腹を踏み潰し、階段から蹴飛ばし、突き落とす・・・
次第にエスカレートしていく娘の子犬への仕打ちに、洋子は気づくことさえできなかった。