ペロ

孝蔵はまだ入院している。

(酷い目に遭ってしまった。それにしても、美保子がペロを虐待していたとは・・・ここを出たら、ゆっくり話しを聞いてやろう。
私も今まで少し、強引過ぎたところがあったのかもしれない・・・。)




美保子は掃除を終えると身支度を整えた。


離婚届けに印鑑を押すと、お気に入りのカップに紅茶を注ぐ。


ゆっくりとそれを飲み干すと、用意しておいたロープに首をかけた。




美しく整えられた広いリビングで、無数の時計の音だけが鳴り響いていた・・・












          〔完〕










< 65 / 68 >

この作品をシェア

pagetop