続きは、このままで…
佐田さんに悟られないよう、平静を装っていたけど。
「東条社長が・・・?」
「っ・・・」
内線電話を彼が受けて、社長たちが来た事を知ったトキ。
背中にツーと、冷たいモノが流れていくのが分かった。
一旦、こちらに眼をやって来たあとで、受話器を持った佐田さん。
すぐに雅貴様に連絡を入れたあと、暫くして隣から声が漏れ始めた。
「ッ・・・」
ドキドキ、ハラハラ、ソワソワ・・・
こんなにも表現し難い感情に襲われたのは、生まれて初めてで。
それだけ隣の部屋での様子が、すべてを変えるモノだと思わされた。