ジャス
「へへっ!いけねえな、若い女が夜道を一人で歩いては。…ほおー、こいつは良い女だぜ。」
満月で、明るく照らされた通り。一人の女を五人の浪士風の男が取り囲んでいた。
「…何をする気です、大の男が揃いも揃って。」
女が負けじと啖呵(たんか)を切る。
「良いからこっちに来な。可愛がってやるよ。」
男の一人が女に手を伸ばした。
だがその瞬間、青白き光が煌めく。
「ぐわーっ!」
男の右手から鮮血が飛び散った!
「誰だ!」
男達が騒めく。
「し…新太郎!」 女の顔に光が灯る。その視線の先、そこに居たのは“だんだら模様”の羽織りを纏(まと)った男だった。
「…その羽織は、“新選組”!」
男達が愕然と言い放つ。