ジャス
 池田屋事件から五日が過ぎた。
  飯屋・夕ずみ

「新太郎この前は、大手柄だったな」
 ジャスが言った。

 ジャスの目の前には、新太郎と彩音が座っている。

「ああ、新選組は凄いんだよ。京の人々を守って、今に幕府を中心とした新たなる国家を築くんだ」
 新太郎の顔に笑みが浮かぶ。

 新太郎は十八歳。下級武士の五人兄弟の末っ子で、幕府再建を夢見、上京して来た。

 その旅の途中、同じく京の町を目指し旅する彩音と出会い共に上京したのだ。

「正義殿は何故この町に? 」
 新太郎が訊ねる。

「俺か? 俺は時代ってものに興味があってな」
 ジャスは多くは語らぬ。

「さようか…まあ、深くは聞かぬが」

 この頃ジャスはスーパーヒーローとしての幾多の武功を認められ、銀河連邦より報奨休暇を与えられ、地球に来ていたのだ。
< 15 / 79 >

この作品をシェア

pagetop