ジャス
「…正気を、取り戻したか…新太郎」
静かに訊ねるジャス。
「はぁはぁ…お前は、まさか…銀河…正義? 」
新太郎が言った。
同時にその体がスッと崩れ落ちる。
「新太郎? 」
ジャスはその身を受けとめた。
「大丈夫か? 」
「すまない…追っ手かと思ってな…」
「いいさ、しかし良く生きていたな」
「…色々あった…俺達は北の大地に夢を見た…戦には負けたが、俺は…未だ終わらない」
新太郎は天を見据えた。雪はしんしんと降り積もっている。
吐く息がやけに白く見えた。
「…そうか…そうだな。…つのる話もあろうが、とにかく場所を代えよう」