ジャス
「彩音…なのか?」
「あなたは正義…」
彩音はジャスの顔を見据える。
「…教えてくれ、新太郎の変わり方…お前のせいではないよな。」
ジャスが俯(うつむ)き訊ねた。
「…何の事です?」
彩音は戸惑う素振りを見せる。
「あいつの目だ。あれは昔のあいつのものではないな。…あれは復讐に魅入(みい)られた目だ。」
ジャスの声が白き風景に染み渡る。
「おっしゃる意味が分かりませぬが…」
「…初めてお前に逢った時から気付いていた。…お前が“異星人”だという事だ!」
ジャスが彩音をグッと睨んだ!
彩音は唖然とした表情を見せる。
が、やがて口元が真一文字(まいちもんじ)に閉じられた。
「ふふふ。流石は“ジャス”。」
ジャスは気付いていたのだ。初めて出会ったあの日から。彩音が地球人では無い事を。
だが、ジャスの判断を狂わせた諸情があった。
まるでママゴトの様に新太郎と戯(たわむ)れる様子、一欠片(ひとかけら)の駆け引きの無い表情。
幾多の想いがジャスの思考回路を狂わせた。
彩音の方も、大銀河連邦のスーパーヒーロー・ジャスの正体は分かっていた。