ジャス

「よし!あれがあれば、我らが勝利は確信したも同然だ!」
 男達の興奮は最高潮に達する。

「目指すは“官庁!”一気に乗っ取れーっ!」
 新太郎が叫ぶ。

「うおーっ!!」
 男達は、堰(せき)を切った濁流の如く広間を飛び出した!

 ズバッ!ザクッ!

「ぐわーっ!!」

「ぎゃーっ!!」
 突然、男達の悲鳴あがった。

「な…何だ!?」
 戸惑う新太郎。眼前に、飛び散る血飛沫(ちしぶき)が映った。

「き…貴様ーっ!」
 男達は怒りの余り飛び出す。
 再び血飛沫が上がる!

「お前達、もう止めろ!…何が起こった?」
 堪らず新太郎が叫んだ。

 男達はジリジリと退く。新太郎の視界が開けた。

「正義!?」
 愕然と言い放つ新太郎。
 そこに立ち構えていたのは、返り血で真っ赤に染まったジャスだった。
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