ジャス

「…いくらその石で能力を高めようが、俺には勝てんぞ。」

「ふふふ。確かに今のままでは貴方に勝てる術はないかも知れない。だけど、この至宝の能力を解放すれば。」

 彩音の言葉と共に、至宝の輝きが増していく!

「石の力を解放する気か!町ごと吹き飛ぶぞ。」

 ピーンと空気が張り詰める。

 一陣の風が吹き出した。更に一つまた一つと風が紡ぎだされる。

 やがて天空に巨大な竜巻が出現した!

「…本気で滅ぼす気か…リバティ!」
 ジャスの怒りが頂点に達する。

「だから言った筈。私は故郷復活の為なら他の星が滅びようと痛くも思わない。」
 彩音…いやリバティが笑う。既に人としての感情は消えていた。

「…そうか…もはや手遅れか。」
 ジャスの悲痛な言葉が漏れた。

 ゴゴゴゴゴ…巨大な竜巻が町を襲いだした!!

「何だあの風は!」
 人々が叫ぶ。

 竜巻に煽(あお)られ家が紙屑の様に吹き飛びだした!
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