ジャス
「ならば何故?…俺が変わったから、お前も変わったのか。」
「違うわ…私の中の血が騒いだの。…拭い切れぬ宿命なの。」
彩音が目を閉じた。顔から血の気が引いていく。
「彩音、分かった。もう良い、喋るな。今医者に連れていってやるから…」
新太郎は泣きだしそうに言う。
「…良いのよ。この星の医者じゃ私は助からない。」
「そんな…」
「…聞いて新太郎。…私達の星では星々間での争いが絶えないの…『やられたらやりかえす』その負の連鎖で私の星は滅亡に向かって進んでいるわ。…あなたにはそんな…砂を噛む様な思いは、味わって欲しく無いのよ。」
「うん…うん…」
彩音の言葉に新太郎は何度も頷く。
そして彩音はジャスに向き直る。
「…ジャス、ありがとう。私の宿命を断ち切ってくれて…それと…お願いがあるの。私を“あなたの中”で“生きさせて”…あなたの…力になりたいの…」
そして気力を尽くし言った。