ジャス

 ジャスは彩音を静かに見つめる。

「…分かった。血を引き継ごう。」
 そう言って、彩音の血で赤く染まる刀で自分の腕を切り付けた!

 新太郎は事態が飲み込めず、ただ見つめる。

 刹那、ジャスの背中から銀色の光りが溢れる!

 そして羽織が引き飛んだ。

「何だ!?」
 新太郎の目が光で塞がれた。


 やがて銀色の光が弱くなっていった。

 新太郎の目に映ったのは、背中に彩音そっくりの“入れ墨”の彫りこまれたジャスだった。

 彩音達の一族は、その能力を引き継がれる“血継ぎ”と呼ばれる能力があった。


「…ありがとうジャス。…これで…楽になる…」
 彩音の周りは既に血で真っ赤に染まっていた。
< 46 / 79 >

この作品をシェア

pagetop