ジャス
都市の中心部では生きる気力を無くした者達が、酒場に集まっていた。
「お前、昨日は“儀式”に参加したのか?」
店の一角で三人の男達が酒を酌み交わしていた。
「まさか、あんなくだらない儀式…何が“神”だ、考えただけでヘドが出そうだよ。」
小太りの男が吐き捨てる。
「やめろ。…誰かに聞かれたらやっかいだ。」
髭面(ひげづら)の男がキョロキョロと辺りを見回す。
「おい!そこの奴等!」
不意に怒鳴り声が響いた。
三人はハッとする。即座に治安部隊と思しき者共が取り囲んだ。
「おいおい、俺等が何したっていうんだよ。」
堪らず小太りが反論する。
「黙れーっ!」
隊員の一人が手に持つ警棒を小太りに叩き込んだ。
小太りは床に倒れ込んだ。
「今の台詞(せりふ)だ!“神”にそむく犯罪人として身柄を預かる!」
隊員が叫んだ。