ジャス

「くそがーっ!たったそれだけでここまでするのか?」
 もう一人の若者が勇んで拳を隊員に向ける。

「なめるなー!」
 だが若者の攻撃は宙を切り、逆に警棒をあびせられ椅子から転げ落ちた。

「…汚ぇぞ。それが“政府”のやり方か?」
 残された髭面が立ち上がり、唸(うな)る様に言った。

「そうだ、反逆者は全て逮捕だ!」
 隊員が警棒を振りかぶった。

「ふざけるな!」
 髭面は意を決し、警棒を押さえる。

 ドカッ。だが別の隊員に背中を押され、テーブルに顔を押し付けられた。

「…くっ!殺すなら、殺せ!…どうせ、この星は滅びる運命なんだ…」
 髭面が吐き捨てる。

 その言葉に隊員達の顔が蒼白になる。
< 51 / 79 >

この作品をシェア

pagetop