ジャス
「…もう止めたらどうだ。」
カウンターに座る男が言った。それはジャスだった。ジャスはウルフ星の民族衣裳を着込み同化していた。
「何だと?貴様も仲間か。」
隊員達はジャスに視線を移す。
「ほおー、どうやらこの星の人間ではない様だ。…関係ない奴は引っ込んでて貰おうか。」
「確かに関係はないが貴様等がいると酒が不味(まず)くなる。…消えてくれないか?」
静かに言い放つジャス。
「よく言った…ならば貴様も逮捕してやる!」
隊員は警棒を握り締め、殴り掛かった。
だがジャスは軽く避ける。そして隊員のみぞおちに右拳を叩き込んだ。隊員が床に倒れ込む。
「貴様!許さぬぞ!」
その様子を確認し、別の隊員が銃を引き抜いた。衝かさずジャスに狙いを定める!
刹那、ジャスの姿が消える。慌てて辺りを探す隊員。
「…そんな物、早くしまえ。」
後方で声がする。
隊員は愕然となり振り返った。
「…う…!?」
そしてジャスと目が合い崩れ落ちた。
「ひ…ひとまず退却だ!」
残りの隊員達は逃げる様に走りだした。
「ま…待ってくれ!」
倒れ込んだ二人も、後を追い店内を後にした。