ジャス
「うおーっ!あんた凄いな!」
「ざまー見ろ!」
店内に拍手喝采があがる。どうやら人々の思いは一緒の様だ。
「あんた、ありがとう。助かったよ。」
からまれていた髭面が言った。
「別に良いさ。…だが、この国の政府はあんな事で逮捕するのか?」
ジャスが訊ねる。
場は再び静まり返る。
「…ああこの星は戦争で変わっちまったのさ。」
小太りが呟く様に言った。
「“あの大戦”か…だが、ウルフ星は勝ち組の筈ではなかったか?」
「確かに我等ウルフ星は勝ち組だ。だが勝ち負け以前に、戦争に参入した事が間違いだった。星は荒(すさ)み衰退の道を辿った…更に追い打ちをかける様に神が…」
「おい、話し過ぎだぞ。」
小太りの話を若者が遮(さえぎ)った。
「神がどうしたって?」
ジャスが問い質す。