ジャス
「あんた、余り深入りしない方が身の為だぞ。」
「…あんた、異星人の様だが、この星が“神国”だっていうのは知ってるか?」
小太りが訊ねてきた。
「おい喋りすぎだぞ。…神に逆らうつもりか?」
若者が小太りに食って掛かった。
「良いんだ、俺は神に息子を一人奪われている。…天涯孤独の身だ、捕えられようが殺されようが構いはしないさ。」
小太りは目を閉じる。ままならない悔しさが感じ取れた。若者はその様子に黙り込んだ。
「さてと…どこまで話したっけ?…そうだ、この星が神国って話だ。…知ってるか?」
小太りはジャスに視線を戻す。
「ああ知ってる。この星を統べるのは、確か“暗黒神・風牙”。」
「そうだ風牙は星が豊かな時は“豊穣(ほうじょう)の神”と呼ばれていた。…だが星が荒れだしてからは変わった。」
小太りは歯を噛み締めた。