ジャス

 それより六日が過ぎた。


 ウルフ星首都シルバ。


「さあ、答えろ。アロマはどこにいるんだ。」
 ジャスが訊ねる。その足元には治安部隊員が倒れ込んでいた。

 その他にも数名の隊員が倒れていた。その誰もが幾らかの傷を負っている。

 ここはウルフ星治安部隊の屯所。僅(わず)か前にこの場所をジャスが襲撃をかけていたのだ。


「…何故、あの子を捜し出そうとするのだ?」
 足元の男が痛みを堪え訊ねた。

「何故?ならば貴様等は何故あの子の居場所を教えない。…数日前までここに居たのは調べ済みなのだぞ。」
 逆に訊ねるジャス。

「貴様には関係無い事だ!」
 隊員が返した。

「確かにそうだが…あいにく、幼い子供を犠牲にして自分等だけ助かろうと言う考えが大嫌いでな。」
 ジャスの深い瞳が隊員を見据える。

「くっ…俺達だって、こんな事はしたくは無い!…だが…」
 隊員が声を荒げる。いくばくか悔しさが伺えた。
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