ジャス
「だが何だ…王家最後の末裔アロマ、何故お前達は彼女を見殺しにする!」
更にジャスは核心に迫る。
「貴様に何が分かる!…俺は…本当は神など…」
隊員の目に涙が浮かぶ。
「よさんか、スティーブ!」
隊長と思しき男が制する。
「王家は俺達を裏切った。星を救う為と星を捨て逃げ出したんだ。…だから…」
別の隊員が吐き捨てる。
「そんな筈ありえない、…何か理由があるんだ…」
また違う隊員が言った。
「俺だって、信じたい。だが…神が決めた事だ。…民衆の命には代えられん!」
「生け贄にはアロマ様、自身が首を縦に振って良諾したんだ。我等がとやかく意見するものじゃ無いだろ?」
「だからと言って…」
場は幾多の意見で紛糾(ふんきゅう)しだす。思いは違えど皆星の未来を憂(うれ)いての意見だった。
その時、スティーブが隊長の前に立ち塞がった。
「隊長…確かに神は偉大です。…ですがあの様な幼子に、何の罪がありましょうか?私は悔しくて堪りません!それにアロマ様の“姉上”にはいつも優しく接して頂いていたのですよ?」
そして隊長に詰め寄る。
他の隊員達は固唾を飲んで見守った。