ジャス
「…私達だっておとなしく従いたくは無かった。…だが全てを滅ぼされるよりはマシと苦渋の決断をしたんだ。」
隊長が胸のうちを吐露(とろ)した。
「…仕方ないんだ…この星は銀河連邦にさえ見捨てられた。神には逆らえん。」
他の隊員が呟く。
「…そうか。ならば貴様等は動かんで良い。…ただアロマの居場所だけは教えて欲しい。彼女はどこだ?」
ジャスは全てを知って尚訊ねる。
「…あの子を助けようとすれば、お前も反逆者だぞ…それでも行くのか?」
隊長が訊ねた。
「勿論。」
暫し沈黙が続いた。
「…そうか分かった。教えよう。」
そして隊長は意を決した様に言った。
「…良いのですか隊長、そのような事をすれば…」
スティーブは隊長を見据える。
「大丈夫だ。…私はあの“リバティ様”がこの星を裏切ったとは少しも考えたく無い事だ。…それに私にもあのアロマ様程の娘がいる。…もしその娘が生け贄に選ばれれば私とて神だろうと逆らうだろう。」
隊長はスティーブを諭すと、ジャスに視線を向けた。
「…あの子は、今“予託者ビブバ”の元にいる。」
「予託者ビブバ?」
「ああ、ビブバは神への謁見(えっけん)を許された唯一の人物だ。神のおふれも彼の元を通して告げられる。いわばこの星のNO2だ。」