ジャス
朝の光が、ジャスの体に射し込んでいた。
「…やっと太陽が昇ったなぁ。気持ち良いよな、疲れがリセットされる気分だ。…お前はどうだ?」
ジャスが訊ねた。
その体には幾多の傷が刻まれている。だがその瞳の輝きは消えてはいなかった。
「ハァハァハァ…何故だ…ワシは神なるゾォ!」
風牙が吠える。
太陽の光が射し込んでいた理由。それは風牙の姿の代り映えにあった。
風牙はジャスに切り刻まれ、小さなボロキレ状態と化していたのだ。もはや動く事すら出来なかった。
「さあ、そろそろ終わりにしようか…」
ジャスはヨロヨロと風牙に歩み寄る。
「ガァーッ!!…ふざけるな、スーパーヒーローといえど“たかが人間”に、神を殺す事はおろか、肉体を消滅させる事さえ出来ぬわ!」
風牙が口元から唾液を滴らせ叫ぶ。
ジャスは風牙の元に歩み寄ると、静かに刀を逆手に握り地面に向けてかざした。
「うるさいな…もう寝ろ…」
刀が朝日に煌めく。
ジャスは腰を落し、ゆっくりと刀を突き下ろした。