ジャス
「お兄ちゃんありがとう。」
アロマが言った。
「よお、お嬢ちゃん。言ったろ、必ず助けるって。」
ジャスはしゃがみ込みアロマに笑いかけた。
人々は輪を作りその様子を眩しそうに見つめる。
「うん。約束したものね。」
アロマも笑いかけた。とびきりの笑顔だった。
「そうだ…お嬢ちゃんにこれをやろう。“王女さま”には必需品だ。」
ジャスは先程拾った何かを渡した。それは数個の石ころだった。
「そ…それは!?」
ビブバが慌てて駆け寄る。
「あのくそ狼が飲み込んでいた物だ。」
ジャスが言った。
「これは星から消えた銀河の至宝!」
ビブバはゴクリと唾を飲む。
「あの風牙は、その身を維持する為、銀河の至宝さえも食らったのだろう。少しもこの星の事など考えていなかったんだろうな。」
ジャスの言葉に、人々は改めて風牙の恐ろしさに驚愕する。
「まあそれはさておき…これからだぞ、この星がどう変わるのかは。」
ジャスが語りかける。
全ての人々の頭上で美しき空が広がっていた。