浅葱色の瞳に
金髪………



まず目に付いたのは其処だ



肩で切り揃えられた髪は月の明かりに照らされ黄金色に輝いていた




夷人………




なんで夷人が俺の部屋に…

夷人の忍なんか聞いた事もねぇぞ




「おい」



返事はない



眠ってんのか?
幸せなこったァ…



……夷人なんか置いといちまったのがばれたら攘夷派連中が黙っちゃいねぇ……


早いとこ処分しちまわねぇと……



殺気を感じない為、夷人の側まで寄り髪を掴んで上体を起こす



髪に隠れていた顔が良く見えると、息を飲んだ





……こいつ、女か?



顔は小さく、顎と鼻は細く尖っていて

唇は薄く桃色がかり、白い陶器の様な肌に良く映える

長い睫毛は切れ長な大きな目を扇状に縁取っていた





こんなに髪の短ぇ女、見たことがねぇ…男とばかり思っていたが…



まさか女だとは……









はぁーっとまた大きな溜め息を一つ…





厄介なもん拾っちまった




しかし、一体何処から来やがった?
しかも俺の背中に入り込むたぁ……




まぁいい

こいつが起きれば解ること






得体の知れぬ夷人に布団を掛けてやると、煙管に再び火を付けた
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