浅葱色の瞳に
「…さっきっから何意味の分からねぇ事喚いてる」



この人は頭が少し可哀想な人なのか



それとも此処は電気の通らない自給自足の離れ島?




「…質問を変えましょう……充電器はもう良いです…此処は何処なのでしょうか?切実に教えてください…!」


場所がわかれば何とか帰れるだろうと思った


…ただそれは女の足で帰れる距離だったらの話




「京だ…お前本当に何処から来やがった?」



…はぁ!!??





「…………きょう?…………きょうって………きょうと?…あの京都???」



「京って言ったら京だろうが…京の都の事言ってんのか?」



開いた口が塞がらないとはこの事だ……



新宿から京都なんて、此れはもう計画的犯行の逃亡ルートとしか思えない



あたし…拉致されたんだ…!




「…しっしんじらんなあい…!!!帰してよお~!!!家に帰してよおーッッ!!!あたしなんか誘拐しても身代金なんて取れない「「……だーッァ!ぎゃあぎゃあ喚くんじゃねぇ糞餓鬼がッッ!新撰組屯所で騒ぐとは良い度胸してるじゃねえかっ!」


ん?



聞き耳をそばだてようと、其まで四方八方へ自由に暴れさせていた手足は無意識にピタリと止まった
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