浅葱色の瞳に
「……とんしょ?」



仰向けに寝転がり暴れていたあたしを仁王立ちで見下している監禁野郎は溜め息を漏らしつつ、問い掛けたあたしに言葉を返す



「……京都守護職会津藩預新撰組屯所だ…」


しんせん…ぐみ…


映画村


それとも本当に京都の新撰組屯所跡地


それとも達の悪いどっきりか



それしか思い浮かばない






でも何か違和感を感じる



恐らく昼と言える時間帯、障子戸の外は静寂で時折掛け声のような声が聞こえるのみ


平行線の広々とした空には鳥が優雅に飛んでいるだけで、高層建築物は見当たらない


…あの飛んでいる鳥はまさか朱鷺ではないか…?



視線を変え、部屋を見渡す


掛け軸や焼き物は質を見ると国宝級に値する作りで……



何より自分を文字通り見下している監禁野郎は腰に脇差しをさしている



それにこの違和感…



第六感が感じたとでも言うべきか


<空気>が違う…







「……お名前をお伺いしても………」




恐る恐る聞いてみる





そう言えば、この監禁野郎の顔は何処かで見知った顔の気がする





監禁野郎は眉を潜めたまま口を開く




馬鹿らしいも、疑わしい…それでももしかしたらと感じずにはいられなかった
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