浅葱色の瞳に
また薬に溺れる、ダラダラとした毎日に…本当に戻りたいのだろうか…あたしは



折角、死ねたと思ったのに…
どうしてタイムスリップなんて、非科学的なものに巻き込まれてしまったのか




此処で野垂れ死ぬか、元に戻って自殺し直すか



どうせ二択に決まっている





ならばいっそ、一思いに斬られてみようか




あの土方歳三に斬られるだなんて、光栄で喜ばしいことではないのだろうか




「……あたしは、土方さんの辞世の句だって知ってますよ」





「……?」







「土方さんだけじゃない…誰が裏切るか…誰が粛清されるか…幕府が終わるのは…新撰組が終わるのは………つまり近藤勇の最期だってあたしは知っているんです…」




怒らせてみようと思った





死んでもいいと思った



この世界に飛ばされたのはある意味絶望に近い

何せこの"金髪"と言う容貌も加わり、外を歩こうものなら斬り殺されるのは目に見えている



攘夷派運動…


簡単に言えば夷敵を攘うこと


"黒船来航"、"ペリー"なんかがわかりやすいのではないか



大航海時代以降に世界進出・支配領域を拡大する欧州を筆頭に、異国は幕府にとっては脅威以外何者でもない




つまり"あたし"は殺される―…
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