浅葱色の瞳に
瞬きさえ出来ずに眼球は乾き、涙は止めどなく溢れ、視界は混濁する

それでも土方さんの眼光は鋭く、涙なんかでは誤魔化せない



この人は一体何を見てきたのだろうか



どうしたらこんなにおぞましい目になるのだろうか


この人は


人の目をしていない






「言…えま、せん」


「…脅しじゃねぇぞ」


「…大体の年表は頭に入っ…て居ます…ですが…、軽々しく口に出そうものなら…歴史が変わってしまう…恐れがあ…るのです……」



…未来に存在する筈の自分が存在する筈のない過去に居る事事態もう歴史は変わってるかもしれない………つまり此れから起こる事変や戦争を予期出来るのなら、きっと各々良い方へ良い方へと歴史を変えようとするだろう……


だけどそれにより出会うべき人間が出会わず、生まれてくるべき命が生まれてこない恐れがある……


例えば、日本は第二次世界大戦が無ければたった60年で此処まで文明が高度成長する事はなかったと言われる……もしも戦争が予期出来て戦争を回避出来たら…?




極端だけど、日本は未だに白黒テレビさえなかったかもしれない…





「…そんなもん関係ねぇんだよ……」





土方さん…
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