浅葱色の瞳に
土方歳三……



"鬼の副長"と言われる由縁はその冷酷な性格故…しかしその裏腹は隊士思いで穏やかな性格だったとされる…





見知らぬ夷人の戯言を本気で捉えてしまう程に…




…未来の日本に現存する資料は実像と当てはまっていた





「…土方さん…あたしは今、正直怖いです…





「………」





「それでも…土方さんと同じ様に…あたしも守りたいものがあります…それは両親だったり友達だったりではありませんが…此れから生まれてくるべき命を…生まれずして終わらせたくない……」





血縁者も居ない



養うべき扶養も居ない



それならあたしの命はあたしだけのものと考えたい…





「……あたしは、この先何をされても未来に現存し記録された歴史を喋るつもりはありません……お気を煩わせたのなら……」





首を跳ねやすい様に、うなじの筋肉を伸ばし頷いた





怖い



だから何も考えないようにした





けれど考えない様にすればするほど、下らない妄想や思惑が浮かんできて




思考という人間の特性をなくしたいが為に、脳味噌を握り潰したいなんて何とも言い難い表現を用いた
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