浅葱色の瞳に




早く…




一思いにすぱっとやってほしい






此から来るだろう恐怖と衝撃を覚悟出来ないまま、あたしは焦燥の色に染まる





………まだ?






土方歳三の愛刀、"十一代和泉守兼定"は一向に振り落とされる気配がない




あんな銘刀に斬られるだなんて、あたしは幸福者じゃないかと自分を励ましていたのだけど…




………?




不審に思い頑なに閉じた瞼を開けた








主に土方歳三が放つ肩にのし掛かるような重たい空気は、喉かに漂う京の空気に戻っていた事には気付かない







「……――ちィッ……!!!」







…苛立ちの表れと共に、土方さんが慣れた捌きで刀を鞘に仕舞っていた所を見あった




………なんで?
どうして?




土方さんの行動の意味が読めなくて、少し動揺した






「震えた女叩っ斬ったって面白ぇ事なんか何もありゃあしねェ」








終始ぽかんと大層な阿呆面をしているだろう、あたしの頭を土方さんはくしゃっと少し乱暴に撫でた








「…大した度胸だ」
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