浅葱色の瞳に
取り敢えず自分の置かれた立場を改めて理解する為、まずは自分の持ち物を確認する…


バッグの中には
電源の入らない携帯…
財布や家の鍵なんていう使用価値がないものばかり



せめて絆創膏とか使えるものを持ち歩くべきだった…



…………


後は…薬……

<タマ>が5錠…
<エス>がグラムにして6グラム…



今のところ正直、此れが一番心配だ…





薬が切れて、いつ取り乱したりするか分からないからだ…





何度も辞めようとしたけれど禁断症状が出る度に断念…





辞めれるのが一番良い…



…でも辞めれる自信は全く、ない






むしろ辞める気なんてないのかもしれない




特に、こんな世界にぽーんと放り込まれた日には…………特に………




自分の意思の弱さを改めて認識する



不甲斐ない







……土方さんは稽古場に行くと言っていた



先程から聞こえる掛け声やぱーんと小気味いい音は稽古場から聞こえて来たのだろう





自分も薬の事を考える暇がない程打ち込める趣味に出会えないかと思いながら、大人しく土方さんが戻ってくるのを待つとした
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