浅葱色の瞳に
限りがある"原動力"に頼らずこの世界で生きていくには、先ず何があっても驚かない強い精神力を養わなければいけない



常に覚悟をしていなければ気がどうにかなってしまいそう…




あたしはそんな世界に来てしまったんだ


ひたすら自分に教え込む



気を許す暇はないことに……





「…今何時なんだろう…」



時計なんてものは、ない



太陽の位置、そして影の移動によって初めて時刻がわかる時代だ



お金の数え方だって、作法や字の読み書きも分からない





この世界で生きていく上での問題を追求すればする程に解決の糸口は見つからず、不安ばかりが募って…




先の見えない未来がこんなにも負荷としてのし掛かり、其はあたしにストレスとして溜まってゆく













……"吸って"しまおうか




少しくらいなら大丈夫



ちょっとした精神安定剤としての効果もある





少しだけなら





少しだけなら大丈夫






必ず辞めれるから





だけど、今だけ







今だけ我慢出来ないの











目当てのモノが入ったバッグに手を伸ばす



持ち手を掴み、胴体へバッグを引き寄せたその時






「―…手を離されませ」
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