浅葱色の瞳に
「あっあっあんた…!どっ何処から現れたと思いきや…!いきなりっそんな刃物を人に突き付けておいて…何なの!?その態度!!!」



なんて猛々しい



怒りの感情は止めどなく溢れ、心のダムは塞き止められていた分、遂に勢い余って崩壊した



「……」



「第一あんた本当に何処から出て来たのよっ!まさかずっと見張ってた訳じゃないでしょうねッ!?…って………???」



言い終わった瞬間、先程の土方さんの言葉が脳裏を掠めた





"番犬がついてる"






まさか





番犬とは此の男の事ではないのか





「…作用、貴女の推測は強ち間違いはない…だが…」



ふんふんと頷きながら"番犬"は立ち上がると、穢い物でも見るかの様な目であたしを見降ろす



「勘違いをするのは御門違いだ…貴女の見張りを承ったのは自らの申し出にも沿っている…貴女の疑わしさを拭い去るのは無理難題……寄って無駄な戯れは一切期待されるな」







口を挟む事も出来ず、淡々と言い放たれた言葉達は酷く攻撃的な意味合いが含まれているのだと解釈した





…そして此の男はあたしの容貌に嫌悪を抱いている事にも気付く




此処の人はどうも人を見下す事が好きらしい



面と向かって、遠回しではあるが"お前、嫌い"なんて宣言されたのは初めての事






………心が、チクッと音を立てた
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