浅葱色の瞳に
半ば強制的に…



思い出したくないのに…







……フラッシュバック




「いやぁ…いやいやいやいやぁぁ…!!!」




「……??」


…何に怯えているのか、自分でもわからなかった


ただ、あたしの中に入ってこようとする"何か"を必死で防ごうと千切れんばかりに首を振る



その"何か"は紛れもない自分自身なのだけど


其に気付くのは未だ先の事……





その内、呼吸気管が正常に動かなくなり、ただひたすら空気を吸い込む事しか出来なくなった


二酸化炭素を吐き出させてくれない


肺が破裂してしまいそうだ




苦しい…





ただ無言で此方を見下ろしている無表情男を尻目に、追い討ちをかけるかの様に頭まで割れるように痛み出した


手足は痺れて感覚がなくなる


涙と涎が滝の様に流れ出た




自分の身体ではないような錯覚に陥る





「はッ…はッ…や…たッ…は…ァッ…た…すッ…たすッ…けッ…」



あたしがこんな風になった切っ掛けを作り出した張本人に、不本意だけれど助けを求める


けれど自分の身体を支えきれなくなり、上体は畳の上へと崩れ落ちると同時に首にトンッと、小さな衝撃を感じた



すると視界は次第にフェードアウトしていく…










"今度こそ死んだ"










そう思った
< 36 / 75 >

この作品をシェア

pagetop