浅葱色の瞳に
「…あ」



沖田さんの言う通りだ


やはりどうしても"人斬り集団"という印象が何処かしらまとわりつき、簡単には拭い去れずにいたのだけれど

未来に残された資料が彼等の全てではない



実際に彼等を見てもいなかったし、親しい知人でもないのに


勝手なイメージばかりを植え付けていたなんて大変失礼極まりない事だ…





あたしは何も悪い事なんて企んでもいない


彼等にとってあたしは、容貌を省けば脅威でも何でもない



聞かれた事について話そう



どの様な経緯であたしが此処に居るか―…



正直に話せば理解してくれる




信用を得るにあたり時間が掛かってもきっとわかってくれる




あたしは彼等を信じよう





そして今度は彼等があたしを信じる番だ




「…沖田さん、有難う御座います」



「ふふ、私はお礼を言われる様な事なんて言ってないですよ」




…ううん




沖田さんはしっかりあたしの背中を後押ししてくれた



何故だか沖田さんの存在はあたしにとって心の拠り所に近いものがある



そう思うと彼の"最期"が悔しくて悲しくてならない……







沖田さんの笑顔が名残惜しいものの、展開を進める為に近藤さんと土方さんの目の前、程好く間隔を空けて丁度二人の間に腰を下ろし正座を組んだ





背筋を伸ばして
顎をひく



そして視線は近藤さんを見据えた
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