浅葱色の瞳に
子供と言うものは時に残酷で


素直と言うべきか、列からはみ出た者へ酷く集中して攻撃する


狭い教室と言う空間の中


明らかに違う髪の色
明らかに違う瞳の色



これらはあたしを攻撃する理由を充分に満たしていて

歪んだ同胞意識、格好の好奇心の矛先となった




毎日ボロボロになって帰って来るあたしを見て顔をくしゃくしゃにする父と母を眺めていると


自分は被害者と言うべき立場であるというのに、酷く胸が痛むと同時に両親に大変申し訳ない、と言う罪の心が芽生えた



と言うのも金髪と青い瞳というだけで此処まで酷い仕打ちをされるのならば


それは同じ容貌の父に対して面目が付かないと思ったからだった



幼いながらにも一丁前にプライドはあった




当時の幼い自分は、生徒を纏める"先生"が絶対的存在、絶対的主導者として最上級の権力と地位があると認識していた



では自分も"先生"になろうじゃないか



そうすればもう苛められない


父を泣かせずに済む









因みに日本史と言う教科を希望したのも"日本人よりもアメリカ人の方が日本の事知ってるー!はずかしーっ!"と言い負かす口実を見つけた為だった



非常に浅はかだ
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