浅葱色の瞳に
「ワッハッハッハッ!…そそっかしくも可愛らしい娘さんじゃあないか!なぁ、歳!」



…何が面白いのか理解に苦しむが、近藤さんは実に豪快に気持ちよく笑う


人柄の良さが垣間見れた



「勝っちゃん、冗談はよしてくれってんだ……鞠絵、構うな続けろ」



楽観的な近藤さんとは対称的に土方さんは眉間に皺を寄せながら険しい眼差しをあたしへと向ける



新撰組の事実上の実権は土方さんが握っているのだろう、そう思えた



「はい…あの、信じて貰えるかどうか……けれど、あたしがこれから話す事は全て本当の事です…あたしはこの時代の人間ではありません………あたしが本来居るべき時代は…この時代で計算すると約150年先の日本です」


「「……」」




「あたしの居た日本は平成と言って、この時代と違い平和な世の中…海の向こうの色々な夷国へ好きに行き来出来るし、文明も発達しています…電気やガス、水道…それに交通網…150年後の日本じゃ京から江戸まで1時間半もかかりません」



「いちじかんはん?」






「えっと…今で言うなら半刻半?」



「…半刻半だと!?んなこと出来っこねェだろ!男の足でも一月は掛かる!」




「新幹線や…飛行機なんて言う空を飛ぶ乗り物に乗ればあっという間に着きます…それ程に文明は発達しているのです」





「空を…飛ぶだァ…?」





…土方さんの頭の中は大変混乱している事だろう


理解に苦しんでいる様で顔の表情は苦渋に滲んでいた
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