浅葱色の瞳に
「…そんな言い方しなくたっていいんじゃないですかっ!?」





…頭に血が昇った



この時代に飛ばされてから幾度と無く抑えてきた怒りの感情は、土方さんの発言に寄り遂に喉の奥から勢い良く放出された




「…あァッ!?」




「ほんっとにあなたは何処までひねくれてるの!?もう少し言い方に遠慮があってもいいんじゃないの!」





血流の流れが一気に速度を増した事に自分自身でも気付いた



きっと今この瞬間の血圧を測定すれば、とんでもない数値を記録している事だろう



自分の血液の熱さで身体がのぼせてしまいそうになる位だった





そんなあたしの身体の異常は露知らずか、土方さんは威嚇するかの様に勢い良く立ち上がり、あたしに向かって罵倒の言葉を吐き捨てるかの如く投げ付ける




「こちとら餓鬼に遠慮する筋合いなんかねェってんだ!身の程知らずも程々にしやがれ!」





正に鬼の様に形相であたしを見下ろす土方さん






猛々しい態度に加えて、凝れでもかって位にあたしを散々扱き下ろすもんだから




怒りは頂点に達する処か飛び抜けて




あたしより頭一つ分背の高い土方さんに負けじと此方も立ち上がり、渾身の怒りを込めて思い切り睨み付けてやる




少し踵を上げれば目線の高さはほぼ同等に位置付けられた
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