浅葱色の瞳に
回想はもう終わり



そんな父も母も2年前に交通事故で亡くなった



悲しみは深かったけれど


それでもあたしは机に向かった



父と母と約束した、教師になる夢を叶える為に―…






なんて、ドラマのようには行かなくて


夢は半年前に呆気なく崩れ去る



大学受験に失敗したのだ



初めての挫折
努力の裏切り



純粋で繊細な心は大変脆く、ちっぽけなプライドと一緒に粉々に割れた




残った物は


今まで感じた事のない酷い悲壮感



夢を叶える一心が今までのあたしを支えていた


その大きな支柱を失う事で孤独と言う立場を身を持って知らされ、そして生きる意味がない事に気付いた




受験失敗から半年


夜遊びを覚え、酒を覚え、セックスを覚え、ドラッグも覚えた




その結果、立派な薬物中毒患者となった




秀才と呼ばれていたあたしは努力で成り立っていた

努力は決して裏切らないなんて


何処のどいつが言い出したのか


一発殴ってやりたいなんて、子供染みているだろうか










数式を覚えるのは難しかった事に対し









ドラッグのやり方を覚えるのは大変簡単だった
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