浅葱色の瞳に
「…はぁ…?…」
…何だか勘違いをされている様だ
大袈裟に感極まる近藤さんの眼差しに、あたしへ向けられた同情心が色濃く見受けられる
まるであたしが今にも命を絶とうとしているかの様だ…
まぁ、強ち間違いではないのだけれども…
近藤さんの緩急を付けた口調は、"あたしの良からぬ思惑"を考え直せと言わんばかり
優しく諭す近藤さんの目が潤みを帯びてきた為、慌てて言葉を付け足そうとしたその時
「………"士道に背き間敷事不許"、"私の闘争を不許"…」
和やかに流れる場の空気に何とも言い難い変化をつけたのは土方さんだった
相変わらず目は瞑ったままで、ゆっくりと口を開き声帯を震わせた
「…歳、今何と?」
「………」
「…何と申されたのです、土方さん」
その場に居合わせた全員…近藤さんも沖田さんも土方さんの言葉に込められた意図と意味が理解出来ない様で、口々に軽度の不信感を漏らした
「…土方さん、今何て…?」
あたしも不審に思い、土方さんに問い掛けた
聞き間違いでないのなら
何故"局中法度"等、土方さんは口にしたのだろうか
その疑問は芽生えて早々、土方さんに打ち消された
「………ばれちまったらばれちまったで其の時だ………鞠絵の密事が他の隊士に知れたら其の隊士にゃ口外厳禁を義務付ける………口外仕様ものなら切腹だ」