First page…逃亡者と囚われの身
遥か昔
闇夜に浮かぶ満月の光、
今宵は戦時中だともいうのに異様なまでの静けさを放っていた…


「薄気味悪い日だわ…」


月の光が照らすだけの薄暗い池の畔を足早に進む


異様な静けさのせいか、嫌な予感が身体を震わせた 


「誰かそこにおるのか?」


池の畔の奥から聞こえる声にアタシは更に身体を緊張させた


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