天然水
「ひめの指輪、
細いね、7号ぐらい?」

『そうだけど…
もう、いらないよ』

「え…?」

『別れたの、』

「俺のせい?」

『そうかもねー』

冗談っぽく言うと

「ごめん…」


雅紀が申し訳なさそうに謝ってきた。

『違うって!
あのね、私、彼氏のこと好きだったんだ。
でも遠距離になっちゃってさ、それから気持ちが離れちゃったんだ。』


「そっかぁー」

雅紀はそう言って頭を撫でてくれた。

ドキッ

え…

今、ドキッてした?

「泣くなら胸かすよ?」

『雅紀、やらしいから止めとくよ、』

「ひどいね?俺そんなことしないのにさ?」

『するじゃん!』

「どうだろうねー?
とにかく、この指輪は返すからさッ 俺が持ってるわけにはいかないし」

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