天然水
駅に着くと

「お前、寂しいのは
わかるけどさ?
見送るときぐらい
笑顔でいろよ。

俺だって、
離れるなんて
嫌なんだからさ?」

そんなことぐらい
言われなくても
わかってるよ…



〈間もなく新幹線が
発車します。〉

アナウンスが流れた。

「もう行かなくちゃ。
姫奈?帰ってきたらさ、
姫奈が起き上がれなく
なるまでヤろうな?」


意地悪そうに笑いながら
そんなことを言う
達也を見て、
今まで落ち込んだ
気持ちが軽くなった
気がした。


『やだよー
2ヶ月も私のことを
放置しとくんだから
そんなに簡単に
ヤらせないよ?』

なんてね、
冗談ぽく言い達也と
私は笑い合った。


「そろそろ
行かなくちゃ!


愛してるよ」

最後にそう私の耳元で
囁いて達也は新幹線に
乗り込んで行った。


たった2ヶ月。
頻繁には無理かも
しれないけど、
連絡は取れる。

何とかなるよね。

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