天然水
『菜智‥?』
「何びっくりした顔してんのよ!」
『だって今、授業中‥』
「チャイム鳴っても戻ってこなかったから心配になって来たの!」
『心配かけてごめんね』
「何かあった?」
さっきのことを菜智に
話そうかと思った。
でも言わなかった。
姫島サンを守ったわけではなく
ただ、彼女の想いは本物で、彼女は彼女で辛いんだとわかったし、
私自身もう思い出したくない修羅場みたいな感じだったから菜智には言わなかった。
「思い出したくないなら聞かないよ」
笑顔でそう言ってくれた菜智が友達で本当によかった。
『そろそろ戻ろっか!』
「もう大丈夫?」
『菜智が来てくれたからもう大丈夫!
ありがとね?』
「気にしなーい!!」
2人で教室に戻ることにした。