天然水

「バレンタインが
最初のイベントだから
それまでいてくれって
言われてさ。

ホストなんて初めてだったからかなり大変だったけど、頑張った。

ひめから貰おうと思って客から渡されたチョコも社長にあげて、
14日バイト終わってから急いでタクシーで帰ってきたんだ。

俺……、

ちゃんとバイト辞めたから。」


『何でバイト辞めようって思ったの?』


「ひめのそばにいたいからに決まってるじゃん」


涙が出てきた。

バイト辞める為に
いろいろ苦労したんだ‥

私の為に
頑張ってくれたの‥?


後ろにいる雅紀に
気づかれないように
我慢してたけど

涙は雅紀の手の上に
落ちてしまった。




「もしかして‥
泣いてる?」


雅紀が私の顔を覗き込む

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