天然水
『ありがと‥』
こんな言葉しか言えないけど、伝えたかった。
「当たり前のことをしただけだよ。
もう泣くなって!」
そう言って雅紀は
頭を撫でてくれた。
『だって~
大変だったでしょ?』
「今は平気だって!
ひめがいるじゃん。」
なんでそんなに
嬉しくなるような事
言ってくれるの?
「ひめはどうだった?
学校が始まってからのこと教えてよ。」
『祐希クンから
聞いたんでしょ?』
「ひめから聞きたい」
こんなことばっかり
言うから毎回、
雅紀にときめくんだよ。
『何もなかったよ?
卒業式の練習したり、
バイトしたり、勉強したり、菜智と遊んでばっかりしてたよ?』