天然水

『ありがと‥』

こんな言葉しか言えないけど、伝えたかった。


「当たり前のことをしただけだよ。
もう泣くなって!」


そう言って雅紀は
頭を撫でてくれた。

『だって~
大変だったでしょ?』


「今は平気だって!
ひめがいるじゃん。」


なんでそんなに
嬉しくなるような事
言ってくれるの?


「ひめはどうだった?
学校が始まってからのこと教えてよ。」


『祐希クンから
聞いたんでしょ?』



「ひめから聞きたい」


こんなことばっかり
言うから毎回、
雅紀にときめくんだよ。

『何もなかったよ?
卒業式の練習したり、
バイトしたり、勉強したり、菜智と遊んでばっかりしてたよ?』



< 253 / 287 >

この作品をシェア

pagetop