天然水
『菜智おはよ!』

「ねー 昨日ねっ
デートしたの!」


のろけかよ‥
そんな気分じゃないし。
菜智の話なんて
まともに聞かずに
窓の外を
ぼーっと見ていた。


「キャー!!!来た~」

耳を塞ぎたくなるほどの
高くて大きな
女子たちの声が
教室だけじゃなく
外からも聞こえた。


この学校に3年間も
通っているのにも
関わらず
また今日も窓の外を
覗いてしまった。


そこにいたのは
「上島 雅紀」

この学校の
アイドル的存在。


彼は同い年。

1年のときから
同じ学年の子達から
人気だったけど

だんだん先輩たちにも
人気になり3年に
なった今では

この学校の生徒で
彼の存在を
知らない人なんて
いないだろう。


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