重ね合わせる手
「なんだ、元気そうじゃないか。突然私の前から居なくなって酷く心配してたんだ」
「……………」
心配そうに私の顔を覗き込んで、でもその瞳は獲物を見つけた獣のようだった。
「そうなんですか?」
「ああ。聞いてないのかい?私は山咲賢治といって、ゆきの叔父だよ。ゆきの両親が亡くなってから私がずっと世話をしてきたんだよ」
「ゆき…言ってくれれば良かったのに」
違うよ、雪兎。
私はコイツから逃げてるんだよ。
やめてよ、雪兎まで私を信じないの?