重ね合わせる手
「へえ、男の話は信じるんだ?昔彼女に裏切られたのをまだ気にして、私を信じられないって言うの?何よ、私もその人と同じじゃない」
「とにかく今日は寝よう。俺はソファーで寝るから」
私だけだった。
私だけが信じてた。
10年越しの恋愛だから、私達は幸せでいられると思った。
私の過去も理解してくれるとばかり思ってたのに。
そっかあ、もうさよならなんだね…。
その夜、私は一睡もすることなく、別れの朝を迎えた。